2016-3-1 UPDATE

視線のチカラ
「見つめられている感覚」は科学で証明できるか?

「穴が開くほど見つめていた」「視線を痛いほど感じた」など文学的な表現で「視線の力」を表すことはよくあります。
では、その力を実証できる方法はないものでしょうか。

街角や駅のコンコースで、「誰かに見られている?」と感じて、後ろを振り返ると、仲の良い友人がニヤニヤしながら、こちらを見つめていた。あるいは街中で友人を見かけて、「こっちに気付かないかな」とじっとその人を見つめていると、ふいにその人が振り向いて、「こっち見てた?」と言われること。
こんな経験、誰にもあるのではないでしょうか?

「それは偶然でしょ?」という意見もあるでしょう。でも、おそらくほとんどの人が経験したことがある、こうした「見つめられている感覚」という現象を、偶然という風に片付けてしまっていいのでしょうか。
『世界を変える七つの実験』(ルパート・シェルドレイク著 工作舎)という本の中で、この「見つめられている感覚」に関する簡単な実験が提案されています。

・二人一組で行い、見つめられる人(被験者)が見る人(実験者)に背中を向ける。

・1回の試行は20秒間で、実験者は1回ごとにコインを投げて、その表裏で見つめるかどうかを決める。見ない時は目をそらして別のことを考えるようにする。

・実験開始の合図とともに、被験者は「見られているかどうか」を推測する。

・20秒経過したら、その場で実験者は回答を被験者に伝える。

・これを何度も繰り返し、記録を残していく。

これならすぐに取り掛かれそうですね。最低でも10回以上は実験を行う必要があるようです。アメリカ・カリフォルニア州の中学校の生徒が、24名が参加して計480回の実験を行った記録があります。これによると全体の的中率は55.2%。「偶然だ」とは片付けられない数値です。
こうした実験を行うと、他の人よりも高い的中率を示す人が出てきます。そういう人は日常生活でも「カンのいい人、感受性の高い人」と呼ばれるのではないでしょうか。逆に的中率が低ければ「鈍い人」なのかもしれません。
「カンのいい人」に対し、どのように「見つめられている」と判断するのかを聞くことで、より深い研究につながります。ガラス窓越しではどうか? 別の部屋からでは?

また「鈍い人」も、実験を繰り返すことで次第に良い結果を見せるかもしれません。「やっぱり偶然だよ」と言う人も、この実験をやってみると、意外な結果に驚くかもしれませんよ。