2015-11-30 UPDATE

生物多様性条約と日本の取り組み

生物多様性とは何か

多くの生き物が地球上に存在していること、それを「生物多様性(biodiversity)」と呼んでいます。動物、植物も含めた豊かな生物の営みは、私たち人類にも大きな恵みをもたらしてくれるものです。しかし、近年の環境変化は生物多様性を脅かす方向に向かっているのも事実。そこで1992年5月に「生物多様性条約」がつくられました。2002年8月までに日本を含む184ヶ国がこの条約に入り、先進国と途上国間の資金および技術協力を含んだ国際的な取り組みが進められています。

第三次生物多様性国家戦略

日本では生物多様性条約に基づき、生物多様性の保全と持続可能な利用に関わる国の政策の目標と取り組みの方向性を、1995年に「生物多様性国家戦略」として決定しました。これは5年をメドに見直しを行われ、2002年に「新・生物多様性国家戦略」が、2007年に「第三次生物多様性国家戦略」が定められました。

いきものにぎわいの国づくり

「第三次生物多様性国家戦略」では、人と自然が共生する「いきものにぎわいの国づくり」を目標に掲げています。そして過去100年間に破壊してきた国土の生態系を100年かけて回復する「100年計画」を提示するとともに、地方・民間の積極的な参加が必要としています。さらに今後5年間に取り組む具体的な施策として4つの「基本戦略」をまとめています。

  1. 生物多様性を社会に浸透させる
  2. 地域における人と自然の関係を再構築する
  3. 森・里・川・海のつながりを確保する
  4. 地球規模の視点を持って行動する

環境省では、生物多様性に関わる取り組みの中核拠点として、「生物多様性センター」を設置し、「生物多様性情報システム」の管理・運営をはじめ、様々な情報提供に努めています。